FreeDV Radio Autoencoder (RADE)


Radio Autoencoder(RADE)の紹介
--- HF無線チャネル経由で音声を送信するためのシステム ---
Radio Autoencoder(RADE)の目的は、HF 無線チャネルで音声を送信することです。
音声信号のオーディオ帯域幅は 8kHz ですが、RADE V1 信号に必要な RF 帯域幅は 1500Hz だけです。
ピーク対平均電力比 (PAPR) は 1dB 未満であるため、送信機のパワーアンプを効率的に使用できます。
テストの結果、RADE は SNR の低い HF 無線チャネルでも,またSNR が高くても問題なく動作し、
SSB や従来のデジタル音声無線システムと比較して優れた音声品質を実現しています。


Radio Autoencoder
RADE は斬新な工夫を凝らしています。
エンコーダーはボコーダーの特徴を位相シフト キー (PSK) シンボルに直接変換します。
量子化、FEC コーディング、変調を効果的に組み合わせます。
RADE デコーダーは受信した PSK シンボルを、高品質の FARGAN 合成エンジンを使用して合成された
特徴に戻します。
RADE エンコーダー、デコーダー、および FARGAN シンセサイザーは、最新の機械学習技術を使用して
構築されています。
RADE は、HF 無線チャネルの歪みがあっても高品質の音声を生成するようにトレーニングされています。
PSK シンボルを OFDM 信号に変換したり、同期などのハウスキーピング タスクを実行したりする
従来の DSP があります。
PSK シンボルは、チャネルを介して 2000 シンボル/秒で送信されます。

scatter
図に示すように、RADE からの PSK シンボルは、従来のデジタル モデムのような
離散的な星座点ではなく、ランダムに配置されているように見えます。
このコンステレーション(星座)は、音声と HF チャネルの多くの例を使用してオートエンコーダを
トレーニングすることで「設計」されました。
興味深いことに、RADE システムのどこにも「ビット」はありません。
特徴抽出器、PSK シンボルから合成までの値は浮動小数点数です。
RADE 信号は、機械学習と従来の DSP 技術を組み合わせて構築された、サンプリングされた
アナログ PSK の一種と見なすことができます。



参考文献:
FreeDV-036 Radio Autoencoder (RADE) V1
Introduction and Waveform Description
David Rowe VK5DGR
October 12, 2024 Git: 8f935d4 on branch dr-doc